こんにちは、まどわくです。
私はうつ病で会社を1年4ヶ月休職し、そのまま60歳で定年退職しました。
40代まで「自分が休職することになる」なんて思ってもみませんでした。
でも58歳のとき、「もう会社に行きたくない」という気持ちがすべてに勝り、休職に入ったのです。
きっと同じように「もう会社に行きたくない」と思ったことがある方もいるのではないでしょうか。
今回は、休職から定年退職までの心の変化をお話しします。
❶ 病気の原因と休職できた安堵
病気のきっかけは、新しく赴任してきた社長でした。
さらに、その社長に取り入ろうとする人たちも同調し、私が積み重ねてきた努力を真っ向から否定してきました。
「自分は何もしてこなかったのか…」
そう思わされ、自暴自棄に陥りました。
医師から休職を勧められたとき、正直ほっとしました。
「これから会社に行かなくていい」という安堵が勝り、休職を受け入れることができたのです。
しかし今でも当時の会話がフラッシュバックし、感情が乱れることがあります。
反論できなかった自分の思いがふと湧き出し、独り言をつぶやいてしまう。
「もうどうでもいいこと」と分かっていても、心はどんよりしてしまうのです。
❷ 休職直後の「罪悪感」と「不安」
休職直後に頭をよぎったのは、同僚に迷惑をかけた罪悪感。
そして「定年まで休職を続けられるのか」「給料はどうなるのか」という不安でした。
罪悪感と不安を抱えながら、定年までの道筋を探る日々。
同じように休職を考えている方も、この不安を感じているのではないでしょうか。
❸ 同僚への申し訳なさ
新社長との関係が悪化してから、私は仕事への意欲を失っていました。
その結果、定型業務だけが残り、同僚に負担をかけてしまったのです。
せめてもの思いで、仕事を引き継ぎやすいように申し送り書を残し、机やロッカーも整理しました。
それでも、引き継いでくれた同僚には多大な迷惑をかけました。
布団の中で「申し訳ない」という思いがぐるぐる頭を回り、眠れない夜もありました。
謝罪しようと同僚の家まで行ったこともありましたが、結局会う勇気は出ませんでした。
一方で、会社そのものへの罪悪感はありませんでした。
原因は社長との関係だったこともあり、「会社なんて自分がいてもいなくても同じ」と割り切っていたからです。
❹ お金の不安
一番大きかったのはお金の不安です。
会社の規定では次のようになっていました。
- 有給消化中は減給なし
- その後6ヶ月は欠勤扱い(8割支給)
- さらに休職扱いになると6割支給
- 休職2年経過で解雇
私の場合、定年まで1年4ヶ月。
有給が4ヶ月あったため、本当の休職扱いは最後の半年間だけでした。
また、役職手当がゼロになるのではという心配もしましたが、実際には規定どおりの運用でした。
さらに助けになったのが、57歳で加入していた就業不能保険。
年間8万円の掛け金で、就業不能が90日以上続くと毎月20万円が非課税で支給されました。
精神疾患は最長2年間でしたが、定年前後の2年間で受け取ることができ、生活の支えとなりました。
❺ 休職中の過ごし方と家族への告白
休職中、「復職したい」とは思いませんでした。
むしろ「定年まで復職せずに過ごしたい」という気持ちが強かったです。
最初は嫁に休職を伝えられませんでした。
不安にさせたくなかったからです。
図書館やカフェで時間をつぶし、ブログを書いていましたが、だんだん無気力になり何もできなくなっていきました。
そのとき初めて嫁に告白しました。
「実は会社を休んでいるんだ」
口にした瞬間、胸の重しが少し取れました。
思った以上にすんなり受け入れてくれたことに救われました。
❻ 定年に対する決意
定年前の3ヶ月、会社から再雇用の案内が来ました。
でも復職したい気持ちはもうありませんでした。
「また同じことが繰り返されるのではないか」という恐怖が大きかったからです。
私は再雇用を断り、退職後は失業手当を受け取りながら新しい人生を考えることにしました。
❼ 休職と定年を経て思うこと
休職に入り、定年を迎えるまでの時間は苦しかったけれど、今振り返れば大切な時間でもありました。
私は問い続けました。
- いったい何のために働いてきたのか。
- 本当に必要なのはお金なのか、それとも心が休まる時間なのか。
- 自分が本当にやりたいことは何なのか。
そして気づいたのです。
- 過去を責めても何も変わらない。
- 誰にどう思われても、自分の人生を生きるのは自分自身。
- 諦めてもまだできることは残っている。
- 小さくても一歩を踏み出せばいい。
そう思えたとき、肩の力が抜けました。
休職も定年も「終わり」ではなく、「新しい始まり」だったのです。
❽ 最後に
仕事を失っても、生きる意味は失われません。
もしあなたが今、同じように苦しんでいるなら、どうか自分を責めずに、これからの時間を新しい人生の一部と考えてみてください。
私の経験が、少しでもあなたの参考になれば嬉しいです。