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退職金は一括と年金どちらがお得なのかハッキリしたい!「非課枠フル活用」+「老齢年金繰下げ」が最強かも

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目次

退職金を一括で受け取る場合と一部を年金で受け取る場合について、所得税、復興特別所得税、住民税、社会保険料を求める計算を以下に示します。

実際の税計算では、前年の所得や前年の社会保険料を利用して当年の税金を計算しますが、今回は簡易化するために、当年の所得や社会保険料から当年の税金を計算する形になります。

また、居住地等で税率や設定値が違ってくるので、以降の計算では平均的で扱いやすい数値を使用しています。

検証モデル】

・一般会社員
・勤続年数38年で60歳退職
・退職金は会社支給2000万円と確定給付企業年金800万円
・配偶者(60歳専業主婦)、他の扶養なし
・70歳まで無職
・65歳から年間200万円の老齢年金を受給
・医療費控除・ふるさと納税などは考慮しない

計算1:課税退職所得を求める(一括受け取り分)

退職金を一括で受け取る場合は、会社支給分と確定給付企業年金分を合算して、退職一時所得となります。

(α):2800万円一括受け取り
(β):2000万円一括受け取り
(γ):2400万円一括受け取り

一時所得の退職金には次の税金が課税されます。

退職所得税
復興特別所得税
市民税
県民税

納税額は、退職金から退職所得控除額を差し引いたものの1/2が課税退職所得額になります。

(退職金ー退職所得控除額)× 1/2 =課税退職所得(課税される金額)

(注1)退職手当等が「特定役員退職手当等」「短期退職手当等」に該当する場合は、× 1/2 が適用されないことがあります。・・・詳しくは国税庁サイト

勤続年数による退職所得控除額の算出方法は次のとおり。

勤続年数による退職所得控除額の算出方法
勤続年数退職所得控除額
20年以下40万円×勤続年数
80万円に満たない場合には、80万円
20年超70万円×(勤続年数-20年)+800万円

(注2)障害者になったことが直接の原因で退職した場合の退職所得控除額は、上記の方法により計算した額に、100万円を加えた金額となります。

38年勤続の退職所得控除額は、次の計算式で求めると2060万円となります。

退職所得控除額=70万円×(勤続年数38年-20年)+800万円
=2060万円

よって、各ケース毎の課税退職所得額は次のとおりです。

各事例毎の課税退職所得額

各ケース毎の課税退職所得額は、一括受け取りの退職金が2060万円以下であれば0(ゼロ)になります。

退職所得控除額=70万円×(勤続年数38年-20年)+800万円=2060万円

(退職金ー退職所得控除額)× 1/2 =課税退職所得(課税される金額)

(α):2800万円一括受け取り

課税退職所得額=(2800万円ー2060万円)× 1/2

=370万円

(β):2000万円一括受け取り

課税退職所得額=0

(γ):2400万円一括受け取り

課税退職所得額=170万円

計算2:退職所得税を求める(一括受け取り分)

課税退職所得が判れば、下表に示す課税退職所得に応じた税率と控除額により、退職所得税が計算できます。

退職所得税額=A×B-C
(令和6年分所得税の税額表)

A 課税退職所得金額B 税率C 控除額
1,000円から1,949,000円まで5%0円
1,950,000円から3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円から6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円から8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円から17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円以上45%4,796,000円

(注3) 算出した所得税及び復興特別所得税の額に1円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てます。

更に退職所得税額の2.1%が復興特別所得税となります。

各事例毎の退職所得税と復興特別所得税

(α):2800万円一括受け取り

課税退職所得額=370万円

退職所得税額=A:370万円×B:20%-C:427,500円

退職所得税額=312,500円

復興特別所得税額=312,500円×2.1%=6,562円

(β):2000万円一括受け取り

課税退職所得額=0

退職所得税額=0

復興特別所得税額=0

(γ):2400万円一括受け取り

課税退職所得額=170万円

退職所得税額=A:170万円×B:5%-C:0円

退職所得税額=85,000円

復興特別所得税額=85,000円×2.1%=1,785円

計算3:住民税を求める(一括受け取り分)

住民税は

所得割市民税:6%
所得割県民税:4%

退職所得に均等割住民税は適用されません。

各事例毎の住民税

(α):2800万円一括受け取り

課税退職所得額=370万円

住民税=370,000円

(β):2400万円一括受け取り

課税退職所得額=0

住民税=0

(γ):2400万円一括受け取り

課税退職所得額=170万円

住民税=170,000円

計算4:まとめ(一括受け取り分)

各事例の一括受け取り分の課税額をまとめます。

(α):2800万円一括受け取り
(β):2000万円一括受け取り
(γ):2400万円一括受け取り

事例退職所得税
復興特別所得税
住民税合計課税額
(α)
全額一括
計2800万円
312,500円
6,562円
370,000円689,062円
(β)
全額一括
計2000万円
0円
0円
0円0円
(γ)
部分一括
2400万円
85,000円
1,785円
170,000円256,785円
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